飼い主のいない猫たちの地域での共生を目指します。 生き物に優しい町は人にとっても住みやすい町。
 グレちゃんのその後
2015年06月03日 (水) | 編集 |
7,8年前になると思う。
仕事帰り、グレちゃんにあった。
グレは、往来の激しい2つの道路に囲まれたように建っている高層マンションの裏手辺りをテリトリーとしていた。
どちらの道でも、車にひかれて死んでいる猫をしばしば目にしていた。
それもあり、しぶしぶ、自分から入って行った現場である。

グレちゃんは、ロシアンブルー風。見かけは美人。でも、かなりキツイ性格のメス猫
育った環境のせいだと思うけど、とにかく人間嫌いで怖い!!猫パンチの強烈なこと。

それでも、世間のオス猫からはモテてたようで、私と知り合ってから2回お産している。
生まれてくる子はグレーでなく黒猫ばかり。。
1回目の子猫たちはなんとか里子に出した。でも2回目の黒猫子猫一派は、譲渡はあきらめTNRした。

親猫グレの保護の空振りが何回も続いた。
その間、グレのテリトリーに出てくる別の猫たちと遭遇、遭遇、また遭遇。
その猫たちのTNRを黙々と続けた。

おかげで、グレのテリトリー内に住居をかまえるご近所には、TNRのチラシ投函や直啓発をせっせと続けることになった。

行政もまだTNRを公式に後押ししていない時期の活動で、今考えてもガムシャラ感が拭えない。

保護の失敗続きで、こちらの気力も体力も無くなりかけたころ、1年がかりで捕まらなかったグレちゃん、あっさり5秒で保護された。

「あ~昨日、撒きえさ貰えなかったんだ。雨だから。。」
こんな簡単な方程式が、あのころ浮かばなかった。。

ようやく避妊でき、耳カットと耳ピアス(今は化膿することもあるのでピアスはしていません)をしてもらい、怖いグレを
彼女のテリトリーにリリースした。

後年、この耳カットが、グレちゃんに幸運をもたらした。
人に虐められ、すっかり人間が嫌いだったグレ。リリース後も様子を見に毎日現場へは足を運び、グレやグレの子供たちにご飯をあげていた。

そんなある日、Wさんという人からメールが届いた。
「庭に、耳カットをした猫が来るようになりました。ひょっとしてアイラの会さんが手術してくれましたか?」
HPを見ての問い合わせだった。どうやらグレと、その子供の黒猫が入れ替わり立ち代りWさんちを訪問しているようだった。

でも耳カットの意味を知ってくれたのは、チラシではなくHP。

Wさんが住む通りは、車の往来の激しい危険な通りの向こう側。
通りに面した西と東にはチラシを撒いたが、その奥までは投函しなかったと思う。

まさかグレがその危険な通りを日常的にイソイソ渡り生活していたとは。

その後、WさんにTNRの意義を話すと、Wさんは、会から機材を借りて、庭に来る猫たちのTNRをしてくれた。その間産まれた猫たちの里親さん探しも積極的にしてくれた。

そして、ちょこんとやってきた、珍客グレたちのお世話もしてくれた。

グレがどうやって、Wさん一家に心を開いていったのか、想像できないけど、しばらくするとWさんが、

「グレちゃん、抱っこできますよ。」

と教えてくれた。

驚きとともに、なんだか寂しいような、一種のジェラシーみたいな感情が私の体の隅っこの奥のほうから一瞬出てきた気がした。
(ワタシ、変)。

あんなに長い間、仕事帰りに餌付けに通い、ようやく捕まえて手術し、グレが生んだ子猫だってあんなに苦労して里子に出したのに。不憫だからお金が無くてもワクチンやノミ駆除までしてあげたのに。。(まあ人間の勝手ですが。)

私にはマッハの炸裂猫パンチしかくれなかったグレ。グレが入ったケージを持つ手も怖くて震えてた。

でもとりあえず、すごくうれしかった。
グレちゃん、おねだり上手は世渡り上手なのよ~。子供の黒は、その後別の餌場を探しあてWさんちに行かなくなった。

そのグレちゃんが昨日、腎臓を悪くして天命を全うした。
おそらく10歳以上生きた飼い主のいなかった地域の猫。

Wさんは、2年ほど前に、グレを家猫に昇格させ、グレは家の中だけで生活していたらしい。
気が強いのはそのままだったけど、Wさん家族は、抱っこできたし、触れたそう。家族限定猫ですね。
いいなぁ~(笑)

腎臓が悪くなってから通院や入院をしていたそうで、病院では、問題児?。やっぱりね。
こんな数値でも猫パンチですか。さすが筋金入りグレちゃん。
最後は家で看取ることができたそうでよかった。
grey2015Jun1
まだ元気だった頃のグレ。Wさんがこの写真を送ってくれました。

グレちゃん、耳カットは「飼い主がいなくても、気にかけてくれてる人がいるんだよ。」
という「愛情の印」だけど、家猫にしてもらえる
「幸運へのチケット」でもあったね。

名古屋でこの活動を始めたばかりの頃に出会ったグレ。
グレの最期を聞き、なんだか、この土地で「がむしゃらに演じた一幕が終了した」みたいな疲労感と、もの寂しさが胸に広がった。

グレみたいな猫が増えていくことが「社会平和」にもつながる気がします。
だって小さな生き物を気にかけてくれる人が大勢いるところで、争いが起きる気がしないから。

グレ、ありがとう。Wさん、お疲れ様でした。

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