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人間社会で翻弄する動物の視点から色々綴っています。
 丹下のオッサン
2016年01月20日 (水) | 編集 |
年明け早々に、Mさんから気になる現場があると聞き、

どこ?と聞くと、「ジム」と言う。
「ジムって?」
「ボクシング」
「ジムのオーナーが餌はあげてるけど、手術してないみたいなの」とMさん。

チラシ持って話に行ってみる?と一緒に出かけた。
住宅とビルが混在する町。
ジムはその一角にあった。
xxジムと書かれた看板がかかったプレハブの建物。
入り口付近に猫たちがいた。みんな涙目で風邪をひいている。
ズーズー言ってる猫もいる。

ピンポンを押すと少ししゃがれ声の男の人の声。
「何の御用ですか?」
「猫のことできました」

小柄でがっしりした感じのオジサンが出てきた。
丹下のオッサン風。

手術しないと、周囲からも理解されないし、繰り返しのお産で猫の体も弱ります。
と言うと、
「そこまでする気ないんだよな」とオッサン。
この手のオッサンは駄目かも。と思いつつ
一応、一通りの話をし、TNRのチラシとなごやかキャット事業について話した。

「ここは有名なボクサーが出てるのよ」とMさんが私にささやいた。
ふ~ん。。そんな風に見えない。。私の表情を見たのか

「これでも世界チャンピオン出してるんだよ」とオッサン。

このプレハブと、悲壮感タップリな猫たちと、歯切れの悪い返事のオジサンと世界チャンプがリンクしない。
「。。世界チャンピオン出してるなら、一匹でもいいので手術してください。」
そうでないと、協力ができない。他力本願ではお互いのためにならない。

猫問題は社会全体の責任。
そう捉えない人が圧倒的に多い。
面倒だから、餌やりのせいにして、何もしようとしない。でも文句は言う。そういう人が多い。
自分の庭、自分の車さえきれいなら、他所に行けばそれでいい。他人の場所が汚れるのは平気。
自己中丸出しの人の多いこと。
だからいつまで経っても、野良猫が減らない。

そして手術に関心のない、こういうオジサンみたいな人もいる。
きちんとルールを守ってくれたら、市からも手術の助成金が出ます。
「力になりますから」と言って、別れたが、こういう手のオジサンは、待ってもおそらく返事はない。

周辺にチラシを撒き、TNRを開始した。

昨夜は鼻水も凍りそうで、今日は相当着こんで現場へ。
暖冬も心配だけど、寒波も嫌だ。

IMG_3907jim.jpg

寒いこの時期、手術後にリリースするのが忍びない。
人馴れしている猫たちは譲渡に向け保護も開始した。