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人間社会で翻弄する動物の視点から色々綴っています。
 「福島の動物の命を考える勉強会」開催します
2011年04月29日 (金) | 編集 |
安楽死もさせてもらえない、えさももらえない、人のために産まされてきた福島の家畜の話を
みなで考えるため、集会を開くことになりました。
題して、
「福島の動物の命を考える勉強会」

猫活動を通して知り合ったIさんが、準備してくださいました。

「福島の家畜やペットのことを心配なさって現地に入った獣医師の今本成樹先生と、現地で保護された動物を獣医さんに届けるなど活動をしている方をお招きして、勉強会をします。

ほんの少しでも状況を変える一助になればと思っていますので、見てやってください。」
Iさんより。
詳細は、以下のブログで。
5月7日(土)
名古屋文理大学北館N201教室
13時から15時
biancaのブログ

今後の対応にもつなげてゆきたいと思っています。
ぜひ、ご参加ください。

 被災地の犬達(福島県版)
2011年04月28日 (木) | 編集 |
4月27日の読売新聞に、20km圏内のペットに関しては福島県が捕獲を開始するという記事を読みました。
ボランティアと協力し、多くの生き物を助けてあげて欲しいです。
皆の声がようやく届いた結果だと思います。

かわいそうな家畜たちはまだ放置されたままです。
せめて、どうせ助からないのなら、安楽死させてあげてほしいと切に願います。
安楽死は費用がかかるから、できないなどといううわさもチラホラ。
被災者の飼い主にそれを負担させるようなことが許されると到底思えない。

今回のことで、食肉や、家畜の大量生産について、大きな疑問を持つようになりました。
殺されるために産まされる畜産動物。最後の最後まで放っておかれ。処分されるときの苦しみようを想像すると
人の残酷さが嫌になります。可愛そうな牛や馬や豚たちへの今後の県の対処の仕方で、私の福島県に対する印象も
変わるでしょう。皆で声を届けてください。024-521-7365 福島県 畜産課
以下は、英語版ですが、家畜救済の署名書です。
福島の家畜救済
英語で書かれていますが、右側に 名前と、住所と郵便番号を入れてクリックすればいいだけです。
メッセージが書きたい場合は、英語でも日本語でも何でもOKです。
億劫がらないでお願いします!


3回目か4回目の福島入りで、仲間のFさんが保護した犬達たちを紹介します。
現在、関東の動物病院で保護してもらっています。

保護した後が大変です!どのこも、慣れない場所に移動されパニック。鳴くわ吼えるわ。近所から苦情は来るわ。
保護されたほとんどの犬は、飼い主の情報も無く、去勢避妊もされていない。フィラリア予防や、ワクチン接種、
保護先に預けるので、健康診断に費用もかかります。

飼い主さんとずっと離れていて、寂しいし不安だし。。でも噛んだりしません。
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オス犬。仮名 まだなし
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東京の病院で。福島の犬たち、落ち着かない。
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どうしてここにつれてこられたかわからない様子のミックス犬。浪江町付近で保護。
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シェルティドッグ 不安で鳴き通しだったよう。でも今は落ち着きました。毛で覆われていますが、痩せ気味です。
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結構な老犬。こんな犬を放置してこなかった飼い主はどんな心情だったんだろう。

私たちが保護した、あとの3匹は、ドッグトレーナーのKさんのところや、そのボランティアさんやドッグカフェのオーナーさんのお宅に保護されています。この子達は、個人宅で保護されているので、幾分、落ち着けるようです。自分が保護した犬達は、その後どうしているか特に気になります。でも安心して任せられる人に行き着けて
本当にありがたいと思っています。

保護に費用を徴収しない病院もありますが、そういう病院は、パンパンで保護の余地なし。。だからといって、20km圏内付近で、彷徨っている犬達の保護をやめることもできず。どこのボランティアさんも大変です。

ということで、フリーマーケット開催します!5月21日9時から~15時まで、東郷町の玉越東郷店“青空フリマでいいもの見つけっ!!”(パチンコやさん)
玉越東郷店: 〒470-0162 愛知県愛知郡東郷町大字春木字白土1-22. TEL:052-847-1050

季節の洋服(春夏物)、かばん、アクセサリー、雑貨、犬のえさ、猫のえさなど
ご寄付頂けるものがあれば、savabee@yahoo.co.jp まで、ご連絡ください。よろしくお願いします。
非常に恐縮ですが、もし↑に掲載した犬用にご支援頂けます場合は、振込み時、「福島の犬用」と記載いただけると助かります。保護に直接携わっている仲間に、全額、義捐金として支援いたします。
郵便振込先 00860-1-187531
振込み先名 名古屋地域ネコ アイラの会
非常に恐縮です。

保護先の準備が整い、私達でも役に立ちそうなら、福島の犬猫の保護や搬入のリレーのお手伝いをする予定です。




 20km 圏内の動物たち。 関係省庁へ電話で救済要請をお願いします
2011年04月22日 (金) | 編集 |
猫のブログなのに最近は猫の記事を載せずにすみません。
猫のほうは不妊手術、譲渡など滞りなく行っていますが、猫の状況を発信する心のゆとりがありません。

福島原発20km圏内のお話をさせていただきます。

20km圏内に入れなくなるニュースを聞いて、その前に1匹でも多く、救出しようと
団体も、個人も一生懸命保護活動を続けているようですが、避難した人口から割り出せば、
今の段階ではおそらく3割に満たない犬猫しか救助されていないと思われます。
国が救助継続の協力をしないと、立ち行かない。と思います。
獣医師会などの協力を得ながら、助けられる動物は助け、苦しんでいる動物は、安楽死をさせることが
望ましいと思っています。皆さん意見はさまざまだと思いますが、このまま
水も飲めず餓死をさせることは、人としてあまりにも心の無い行為だと思います。
家畜たちがたとえ殺される運命であったとしても、餓死や衰弱により死ぬことは、あまりにもむごすぎます。

同じ気持ちを持つ全国の人が、ぜひ国に救済の要請を電話で届けてください。土日もやっています!
声を届けないと、生きている動物達が救えません。ご協力をお願いします。
原子力保安委員 経済産業省 03-3501-1511
農林水産省 03-3502-8111(代表)
置き去りにされている20km圏内の動物達、ペットや家畜の救済要請の声を届けてください。
あきらめて発信しないと、何も変わらないです。
飼い主やボランティアが入れなくなれば、えさを与えることもできなくなります。
 牛たち(roket newsより)roketnews24より以下の写真を転載しました。
転載(roketnewsより)

roektnewsより転載

<以下転載>
●首相官邸
TEL03-3581-0101
FAX03-3581-3883
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

●環境省/動物愛護管理室
TEL03-3581-3351 内線6484
FAX03-3508-9278
shizen-some@env.go.jp
https://www.env.go.jp/moemail/

●農林水産省/畜産振興課
TEL03-3501-3777
FAX03-3593-7233
https://www.contact.maff.go.jp/voice/sogo.html

●農林水産省/災害総合対策室
TEL03-3502-6442
FAX03-3592-7697

●原子力安全保安院
TEL03-3501-1511(経済産業省の代表から広報へ)
TEL03-3501-1742(電力安全課)


メディアでも動物関連は不思議なくらい最近まで取り上げらなかったけど、
産経新聞に以下の記事が出ていました。
警戒区域設定で環境省、ペット連れ出しを検討
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110421/dst11042123490057-n1.htm

双相保健所に、計画的避難区域となる葛尾村や飯舘村にまた置き去りにされる動物が増えれば、一部の人たちの動物救助は、手で水をすくうような活動になりますと話しました。

対応してくれた職員の男性は、1ヶ月の間になるべくペットなどをボランティアさんに協力してもらって保護してもらうよう飼い主さんたちに働きかけているという話だった。
ただ家畜に関しては、国が対策をとらないと、私達ではなんともできない。私の実家でも牛を飼っているが
どうしてやることもできない。
見殺しにするほかないと、うなだれる畜産農家はたくさんいます。とのこと。
国が迅速に動かないと救える命も救えない

政府に声を届けてください。私達があきらめたら、おしまいです


 20km 圏内 からの締め出し
2011年04月21日 (木) | 編集 |
20キロ圏内に入れなくなると、これまでえさを貰っていた家畜や、放浪犬、地域猫たちは
飢え死にするしかないのだろうか。

火事場の泥棒と愛護団体がいっしょくたにされているのだろうか。
被爆は移らない。スクリーニングを受けても量は微量で気にしなくてもいい量です。と言われているのに、
交代で愛護団体が保護に行くこともできないのだろうか。

国は特例を認めるべきだと思う。
まだ生きている動物がたくさんいるのに、見殺しにする野蛮さは持ち合わせていない
人も日本には大勢いる。

安易な殺処分がいまだに続いているこの国には、心が無いから、救出する術を考えることを放棄している役人だらけとしか思えない。

日本中の愛護団体や個人は、官邸前でデモをするべきだと思う。



 20km圏内に残されている動物達
2011年04月19日 (火) | 編集 |
原発20km圏内に置き去りにされている家畜のニュースが読売新聞に出ていました。
政府も行政も手段はとらず、見殺しにするようです。

いくらハムやソーセージにされる家畜だって、加工される前までは
お腹いっぱい食べさせてもらえるはずなのに、これなら安楽死させるほうがよほど救われる。
こんな死に方しかさせられないとは思えない。面倒だからどうでもいい?

うちのとらまる

とらまるさんのブログには、20km圏内で何が起きているのか、紹介されています。私達はこれを直視する義務があると思います。



 Alive 福島原発避難地域の飼育動物に関する要望 提出
2011年04月12日 (火) | 編集 |
Aliveが国に要請書を提出したよう。4月11日付。
内容は以下から。

福島原発避難地域の飼育動物に関する要請

早く救済して欲しい。

 福島の地震
2011年04月12日 (火) | 編集 |
地面の揺れがちっともおさまらない。

全国から大勢の有志が、福島に出向き、救出できる限りの犬猫を連れ帰っている。
行政ではなく、民間人が私費を投じ、シェルターを設置する計画も立てているよう。

置いていかれた家畜たちは、このまま見殺しにされるんだろうか。
かわいそうでいたたまれない。まだ生きている牛や馬や豚たちがいるのに。人が生きてゆくために
一番大きな犠牲になっている動物達が、一番先に放置されるのがどうしても正しいと思えない。
東京の人たちが南相馬市で撮った写真に映る子牛の目が頭から離れない。
早くレスキューされて欲しい。



横浜の病院で保護してもらっていた大型犬が急死した。あわてて駆けつけ、病院で事情を聞くと、おそらくストレスがあったことと、フィラリアが陽性だったことなどが原因ではないかと説明を受けた。
置き去りにされても、犬は、飼い主に会いたかっただろうと思うと、悲しくなった。
病院はお寺で火葬の手配をしてくれていたらしいが、時間がなく手を合わす暇もなく、名古屋に日帰りで引き返した。

保護してくれていた病院は、デパ地下並の混雑振り。残った4匹の内、3匹は他の協力病院などに割り振られていた。
連日被災地からの犬の受け入れですごく忙しそうだった。

病院では、1匹のマナちゃんのみ面倒を見てくれていたので、よければこちらで保護しますと申し出、マナちゃんを東京の友人宅に預けてきた。
保護時、なんとなく元気が無かった黒犬のマナちゃん(病院でつけてもらった仮名)、元気になり、一回り大きくなっている気がした。
これから皆で保護してきた犬達の飼い主さん探しに本腰を入れる。

保護できなかった犬達のことがとても心配だけど、犬のプロが行かないと、効率よく限られた時間に保護する難しさを感じる。被災地の保健所にゆとりが無いなら、他府県の職員もボランティアと一緒に捕獲に乗り出してくれないのだろうかと思う。保護先の確保も難しくなってきているみたいだし、行政の後押しがここでも必要だと思うのだけど、考えていないのだろうか。。家畜にしろ、ペットにしろ、このままでは可愛そうだ。避難範囲が広がっても、置き去りにされる動物が増えないよう講じないと、大変だ。
地方では、犬も猫も去勢や不妊手術などほとんどされていないので、人に触られない子犬が増えるとどうなるんだろうか。

ボランティアは皆、倒れてしまわないだろうか。首相官邸にこの件について皆がメールを送っているよう。
ぜひ、協力をお願いします。

まなちゃん
マナちゃん。可愛がってもらえたことが表情からよくわかる。










 南相馬市の小林さんちの長毛猫 逝く
2011年04月07日 (木) | 編集 |
4月3日に南相馬大井字下山畑という地域で保護した、毛足の長い茶色のオス猫が、保護先の病院で容態が
急変して死んでしまった。連れ帰ってたったの4日で死んでしまった。
長毛猫 下山畑

極度の栄養失調から貧血もかなりひどく、私達が救済に行ったとき、鳴きながらえさを食べたのは
最後の力を振り絞って食べていたのだと先生に言われた。相当空腹だったに違いない。
長い毛に覆われているけど、触ると骨と皮だけだったらしい。

kobayasi1.jpg
病院で治療を受ける小林君。

連れ帰らなければ良かったのではと、考えてしまう。飼い主さんに会ったとき、最後の姿を写した写真を
見せてあげられるよう、東京の友達に頼んでおいた。

福島から東京への移動中、いびきをかいて寝たり、シーツの上でウンチをしてしまったり、
世田谷の保護先の病院では、スタッフのみんなに可愛がられ、ゴロゴロ鳴いていたらしい。
友達と先生達が猫を明日火葬する。花やえさをたくさんいれてくれるらしい。
この子のいた、南相馬市はとてもきれいなところ。飼い主さんのいる故郷に帰してあげたい。
一緒に保護した柴犬も、一日も早く以前のように飼い主さんと一緒に住めるようになればいいと思う。

この猫は、飼い主が避難した後の3週間おそらくまともにえさが食べられなかったのだと思う。
こういう猫は、これからもっと増えてゆくんだと思う。もうすぐ子猫の生まれる時期。
えさをもらえない地域猫もとても不憫だ。

避難範囲が広がれば、また置き去りにされる犬猫も、家畜も増えるのだろう。
原発で何もかもめちゃくちゃだ。

 被災地の犬の保護先募集
2011年04月06日 (水) | 編集 |
最初にレスキューされる犬猫は、捕まりやすい子達ですが、あとになればなるほど、飼い主以外には触らせないような犬が残るようです。

田舎では番犬としての中型、大型犬が多く、外での保護でかまいませんので、
暫定的に犬を保護してくださる方を募集します。

保護先がなく、現場に行っても、保護ができないボランティアさん達がいます。
飼い主さんのいらっしゃる犬に関しては、飼い主を見つけます。
もし見つけられなかった場合は、譲渡をすることになります。

譲渡、シャンプー、注射など、必要な手当てはこちらでしますので、犬を保護できるかたを募集します。
関東方面は徐々にキャパオーバーになってきています。

ボランティアいただける方、ご連絡をお待ちしています。


 UKCジャパン ドッグレスキュー
2011年04月06日 (水) | 編集 |
以下は、福島の被災地へも赴き、保護をしている団体です。


ロードオブ・ザご当地~目玉おやじと旅をする~


Mignon
pet salon Mignon 東京にあるペットサロンのミグノンさん
自ら被災地に出向きたくさんの動物達を保護。

UKCジャパン ドッグレスキュー
保護された犬達が掲載されています。http://ameblo.jp/dog-rescue/entry-10853282063.html
UKCジャパン ドッグレスキュー


NPO法人 犬猫みなしご救援隊
広島の団体です。福島の被災地にも赴いている団体のようです。

エンジェルズ 
滋賀県に本部をおく団体です。福島の被災地にも何度も赴いている団体です。







 福島入り 第2弾 飼い主の方が探している可能性があります。被災地行政と警察に必ず届出をしてください。
2011年04月04日 (月) | 編集 |
※家から救済した犬猫を、飼い主の方が探している可能性があります。
 被災地行政と警察に必ず届出をしてください。

飼い主不明の犬猫を連れて帰り、届出をしていない方はぜひ届出をお願いします!
広くこの情報発信の協力もお願いします。




この週末2度目の福島入り。今回は、10年前から、一緒にTNRをしてきた、東京の友達と現場に向かった。途中車窓から見えるうっすら雪化粧したきれいな山には目もくれず、ユンケルを飲みながら、ひたすらアクセルを踏み、東北道をまっしぐら。
車の後部席にはビニールシートを敷き詰め、毛布、水、餌、中型ケージに、小型ケージ。
前日東京で一泊し、午前中に福島に向け出発したけど、ついたのはなんと夜。道の選択を間違い、通行止めで大回りをしたためだ。闇夜に視界が利かずその日のレスキューは断念。
東電の従業員でごった返す、小高区(おだかく)のビジネスホテルで一泊し、翌日早朝から、地元の人に道案内を頼み、原発の影響で多くの犬猫が置き去りにされている浪江町や小高区という場所に向かう。

地元の方の道案内で、太井下山畑という地名の場所に行くと車のエンジン音や人の話し声を聞いて、茶色のミックス犬が走り寄ってきた。久しぶりに見る人間を前に、うれしくてお漏らしをしながら近づいてきた。もっていった餌を与えると、うれしそうにでも尻尾をまきながら私たちを警戒し、ガツガツ餌を食べ始めた。
わき腹をそーっと触ると、噛もうとする。
でもうれしくて仕方ないようで、またお漏らしをしながら餌を食べ始める。和犬は、飼い主には忠実だけど、他人のことは警戒する。私はそんな性格の犬がいじらしくてかわいい。

空気のきれいな田舎で飼われている犬たちはほとんどが番犬用。そして猫も外で飼われていて、お互い仲良し。都会のドッグランやシャンプーなんて恐らく無縁。ついでに去勢不妊手術も無縁なのかも。

一緒に行った仲間が、餌を食べている犬の首に持参したリードを上手にかけ、お漏らし犬を保護。ホッとしながら、ケージに移していると、また違う犬が走り寄ってきた。赤い首輪をした柴犬。追いかけると、自分の家のほうに走り去ってゆく。犬の消えた方に行くと、猫がいた。長毛の茶トラ猫。すかさず餌を置くと、ビクビク鳴きながらガツガツ餌を食べ始めた。
長毛猫 下山畑

柴犬を必死に探すが姿が無い。見ると少し離れた場所からこちらを眺めていた。えさで釣って、しばらく格闘した後、無事に猫、犬両方を保護。車に乗せた。放射線の量も気になるので、この地区では、いつも時間との戦い。マスクをするが、帽子は気がつくと取れ、髪は風に吹きさらし。犬猫を車に詰め込み、保護した周辺に連絡先のメモを投函し、出発すると、またすぐ近隣の家から犬の鳴き声がした。
見ると、猫も数匹いる。また車を止めて、餌を持って歩み寄ると、これが超大型犬!人懐こい、レトリバーとかじゃない。
餌を置くとガツガツはじめるが、敷地に入ろうとすると吼えて飛び掛ってくる。左腕をガブリとされコートが破れる、猫に近づこうとした仲間も噛まれ、袖をちぎられた。
番犬
んー。。この犬は私たちの手にはおえない。時間も限られているので、周辺の情報をメモし、デジカメで犬の写真を撮り餌をどっさり置いて、その場を立ち去った。

家々の住所さえわかれば、もっと犬に精通した仲間や団体にバトンを渡せるが、今回のレスキューで痛感したことは、道があちこちで不通になっているため、ナビも当てにならず、住所が分からない家の多いこと!カーナビは、「状況が変わりました、ルートを変更します」ばかりを壊れたように繰り返す。そして山間の細道は、くねくね目印もなく、覚えるのがとても難しい。地元の道案内がいればなんと心強いことだろうと思う。

保健所にスクリーニングを受けるため、車を走らせている途中、放浪犬を何頭か見たけど、餌を持って近寄っていってもどんどん離れてゆくか、群れをなし人に寄って来ない。そういう確実に人間との間に距離ができている犬たちの前で、ぼんやり立ち尽くすしかなかった。餌だけを置き、先を急ぐ。

事前に準備した、福島県の獣医師会が出している被災犬猫協力病院に保護した犬のことで電話をしたが、らちの開かない返答か、留守電。「そうですか、そんなに犬いますか」とまるで対岸の火事的?な返事をする病院もあり、ンー。。

ある地元ボランティアさんは、支援物資は十分あるが、実際に犬猫を保護し、連れ帰り、責任を持って面倒をみてくれる人が圧倒的に不足していると言う。やはり、こういう事態に備え、機能できる保護施設が必要だし、情報を一元管理できる場所も必要だ。片っ端から保護しても、元の飼い主さんにきちんと返せる段取りは怠れない。

今回保護したメス犬2匹は、ドッグライフプランナー協会さんに保護をお願いした。いつも快く引き受けてくだり、経営者ご本人も、放浪犬を何度もレスキューするため被災地に向かわれている。
犬猫を保護した周辺には、連絡先のチラシを投函し、必ず、現地の警察や保健所に保護した犬の特徴や住所がわかればそれを連絡する。定期的に、避難場所から犬猫の面倒を見に、自宅に戻っている飼い主さんもいると聞いている。そうじゃない場合もあるようだけど、いずれにせよ、連絡先は明記してメールボックスに入れておくのは必須だ。番犬のためにおいてあったと、言われれば、返さなければいけない場合もあるかもしれない。

連日、全国からさまざまな個人や団体が動物のレスキューに被災地に向かっている。私たちが帰った後、友人の仲間(世田谷で地域猫を推進している個人ボランティアさんたち)が、私たちが後にした現場に戻り、また犬6匹、猫6匹を保護した。そして今日はドッグライフプランナーさんやCat Pawクラブの人たちが急行している。どうしてこう民間人のみによるレスキューしかされていないのかじっくり疑問を抱いている暇もない。原発事故さえなければ、なかった災害。みんな時間と戦っている。

浪江町を去る前に、保健所で放射線のスクリーニングを受けた。1.7という数値。100に対して1.7.問題ありませんと検査員。犬猫は恐らく大丈夫ですと言いたげな関係者を前に、念のためお願いしますと犬猫にもスクリーニング。0.9-1.2という数値。証明書いりますか?と聞かれたが、「必要ないので結構です」と私たち。

小林はな
スクリーニングを受ける小林はなちゃん(仮名)
4/3地元の人の案内で行った下山畑で上の猫と一緒にいるところを保護

搬送中はどの犬も大抵車酔いして、嘔吐する。
――――――――――――――――――――――――
現地では、縁のある子しか遭遇しないし、保護も出来ない。
保護した犬猫たちがきちんと飼い主のもとに帰るか、新しい飼い主さんの元へ行くまで、責任を持って見守ってゆきたい。

南相馬という場所は、馬の行事が多い場所だそう。馬事公苑などもあった。今回のこの原発事故で見捨てられている家畜たちには、言葉を無くす。
私は犬猫の捕獲中、何度か豚に遭遇した。立ち止まってじっと私を見る、大きな動物の物悲しい目に、体が膠着してどうしていいかわからなくなる。カメラを向ける心の余裕もない。生きていてもやがて殺され食べられてゆく動物たち。だから、こんなときは、放っておかれるだけなのだろうか。当たり前のようにハムやソーセージが買えるのは、こういう動物たちのおかげ。申し訳ない気持ちで心が押しつぶされそうになった。やせ衰え骨が浮き出ている馬たち。畜産農業を営む人たちの中には、牛が死ねば保険がでるから、餌を与えないで欲しいと訴える人たちもいるそう。育てる人、食べる人、人間の業の深さを目の当たりにした福島入り。こんなことをして罰が当たらないのだろうか。悪い夢を見ているようだ。
亡くなった飼い主は救助に向かえない。じゃあそれ以外の飼い主たちは?いろいろなことが頭の中を駆け巡る。

東京に避難しているある男性から他の団体を介し、猫を3匹、置き去りにしているのでレスキューをお願いしますと聞いていたので、既に遅いかもしれないけど、現場に向かった。

向かう途中の道路が陥没し、20km圏内で前進を躊躇っていると、仲間が、ここで何かあれば大変なことになるから引き返そうと言う。仕方なく断念しようとUターンすると、滋賀ナンバーの車に乗った男性2人組みが、私たちの横を通り過ぎた。バックミラーで様子を見ていると、何の躊躇もなく、さっさと陥没している道に乗り上げ、前進。すごい。広島のある愛護団体は、原発1km圏内で保護をしているそうだ。

地震ではなく、この原発事故で犠牲になる物言わぬ命を救うため、必死で頑張っている人たちを目の当たりにした3日間だった。

3月27日に津島センター付近で保護した放浪犬。とてもおとなしい性格の良いメス犬
津島センター
20kmと30km圏内の境で保護した大型犬。とても穏やかな性格のオス犬。
保護時、傷を負い、足から血が出ていた。
ぼるぞい犬110327
他にも保護した犬はいますが、写真が撮れていません。取れ次第掲載してゆきます。

保護できなかった犬達。浪江町付近で。どうしているか、心配です。
浪江町
末筆になりますが、今回、被災地の犬猫救出のために、ご寄付をしてくださった方たちには、本当に感謝しています。有難うございました。皆が無事、飼い主さんのところに戻れるようがんばりたいと思います。